運転手だった叔父

独身時代、忘年会や新年会でよくタクシーを利用しました。
私は、いつもタクシー乗る時に、感謝しながら乗るようにしていました。
それは私の叔父は、長年タクシーの運転手をしていたからです。
子供の頃から、叔父の家に遊びに行くと、叔父が休憩時間に食事を食べにタクシーに乗って帰ってきていました。
私にとってタクシーは、もの凄く身近な存在に感じて来ました。
時々、友達がタクシーに乗って運転手さんに失礼な態度を取ると、私は無性に腹が立ちました。
叔父から、タクシーの運転手の仕事をよく聞いていたからです。
叔父から聞く、タクシーでのお客さんとの出会いは時には面白く時には、切ないものありました。
でも、叔父はそんなタクシーでのお客さんとの出会いの1つ1つが、大切な思い出だといつも話してくれました。
ただ、タクシーの運転手としてお客さんを目的地に運ぶだけではなく、お客さんとの関わりを大切に考える事がタクシーの運転手の仕事だと叔父は、仕事に誇りを持っていました。
お客さんとタクシーでの出会いを一期一会の気持ちで最高の接客をしょうと常に思っているといつも言っていました。
昔、私が忘年会で不覚にも酔っぱらってしまい、上司にタクシーで送ってもらった事があります。
最初は、酔っぱらっていて、気付きませんでしたが、上司が運転手さんと話している声を聞いて私の乗ったタクシーが、叔父のタクシーだと気付きました。
叔父も私と一緒で、最初は私だと気付きませんでしたが、途中で私だと気付き、驚いていました。
叔父のタクシーでの運転手としての仕事を始めて見て、私は叔父の事を前より好きになりました。
叔父の話していた一期一会の意味が、何となく分かったような気がしました。
結婚してからタクシーの乗る機会は、無くなりましたが車を運転していてタクシーが走る姿を見ると、あのタクシーもいろいろなドラマが起こっているんだろうと思いながら見つめています。
叔父は、今はタクシー運転手を退職しました。